本特許は、方法やシステムに関する特許ではなく、コンピュータという装置に関する特許であるが、そのコンピュータが行う仕組みがビジネスモデル特許に近いものであると思われるので、本書に含めた。
本特許の権利者であるFantasy
Sports Properties, Inc.は、fantasysports.comというサイトを運営しており、そこで本特許で記述された内容のゲームを主催している。以下の通り、Fantasy
Sports社は、本特許に基づき、積極的に訴訟を提起している。
1999年12月28日、Fantasy
Sports社は、Sportsline.com, Inc.、Yahoo!
Inc.、Sandbox.com、およびESPN Starwave
Partnersが本特許を侵害しているとして、バージニア州東部地区の連邦地方裁判所に訴訟を提起した(事件番号2-99CV2131)。本訴訟はまだ初期段階であり、実質的な判断や決定はなされていないものと思われる。ただ、Fantasy
Sports社の弁護士は、被告らが本特許と同様のシステムで大きな利益を上げているので、損害額は2億8,500万ドルに上ると述べている。
また、1999年12月30日、Fantasy
Sports社は、USAtoday.comを運営しているGannett
Company Inc.が本特許を侵害しているとして、同じくバージニア州東部地区の連邦地方裁判所に訴訟を提起した(事件番号2-99CV2139)。本訴訟は、2000年3月2日、和解により終結している。和解の内容は公開されていないが、Gannett社はライセンスの供与を受けたと報道されている。ライセンス料は、Fantasy
Sports社が要求していた本システムに関して生じた収益の10%に近いものと報道されている。Gannett社は、上記被告らと異なり、本システムでの収益は僅かであるので、訴訟費用等を考慮して、和解に応じたものとされている。
更に、Fantasy
Sports社は、2000年3月、cnnsi.comを運営しているTime
Warner社、およびFoxsports.comを運営しているNews
Digital Media社に対して、同様の訴訟を提起している(事件番号2-00CV00179)。本訴訟もまだ初期段階であり、実質的な判断や決定はなされていないものと思われる。
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